青城SS | ナノ
「なー、誰か紹介して」
「あれ? しばらくは彼女いらないって言ってなかった?」
「それは春の話じゃん。今は夏じゃん。彼女と海だとかプールだとか祭りだとか行きたいじゃん」
「ふーん。なら私にも紹介して」
「めっずらしい」
「岩泉くん紹介して」
「え、それマジのやつじゃね?」
「うん。マジのやつ。この前さ、試合なのに間抜けにもユニフォーム忘れた誰かさんのために、くっそ暑い中チャリとばして青城まで届けに行ってあげたでしょ?」
「その節はお世話になりました」
「その時無礼にも本人じゃなくて代理の岩泉くんが取りに来たでしょ?」
「それには深いわけがあってだな」
「それで初対面でめっちゃ気まずいけど、岩泉くんに私がよろしくお願いしますって頭下げるじゃん。そしたらユニフォーム受け取って、ちょっと待ってろなんて言われてさ」
「なにそれ? そんな話知らねぇんだけど」
「走っていなくなって帰ってきたと思ったら、タオルと飲み物をくれました」
「なんだそのイケメンエピソード!」
「暑い中悪かったな。ありがとうだって。ちなみにその時のタオルがこちらになります」
「なんで持ち歩いてんだよ」
「いや、岩泉くんに返しておいてって貴大にお願いしようかと思って」
「ああ、それなら預かります」
「でも気が変わりました。タオルを返したいので連絡先を教えてください」
「お断りします」
「なんでよ」
「ナマエと岩泉が付き合うって……そりゃー、なんかダメだろ」
「なんでよ。なにがダメなのよ」
「俺に彼女がいねぇのに、岩泉に彼女ができてナマエにも彼氏ができる。許せんだろうが」
「ちっさ。男としてちっさ」
「それに岩泉はなぁ、巨乳派だぞ。残念だったな」
「本当に男としてどうなの? いいから黙って連絡先教えてよ」
「無理」
「はあ? なんなのもしかして貴大、私のこと好きなの?」
「ちょい見て、この鳥肌」
「冗談だから。ガチの反応やめてよ」
「ナマエは俺の部屋で彼氏欲しいって言ってるくらいがちょうどいいって」
「なにそれ、一生ひとりでいろってこと?」
「俺の部屋にいんのになんでひとりなんだよ」
「やっぱ私のこと好きじゃん」
「見ろって、この腕」
「なんか焼き鳥食べたくなってきた」

おやつは焼き鳥とサイダー。

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